刻雲録

言霊の幸う国で、言葉が見せる風景を感じる

明日

 咥えたたばこに血がついてた

 そのわけを知ることも叶わない

 口の中は鉄の臭いで充たされて

 俺は明日のことを考えてた

 この頃は振り返ることもしない

 日毎に生きることに汚れを感じる

 それでも何かにしがみつこうとしている

 俺はただ安らかに寝たいだけなのに

 己の心に目を伏せるなんて

 笑い声から遠ざかるなんて

 どうしたの

 俺がわからなくなっていく

 明日俺は何してる


 歩く度に頭が痛い

 そのわけはきっとわかってる

 わかってるけど歩くことはやめない

 走ることはないけど

 壁にぶつかることもなければ

 何かに躓くこともないから

 高く反り立つ崖を探したけど

 失うものがないと気付く

 何もないのがとても辛くて

 何かがあれば物足りなくなり

 それが人間なのか

 それが人間なのか

 夢追い人に目を伏せるなんて

 愛すべき人から遠ざかるなんて

 どうしたの

 俺がわからなくなっていく

 明日俺は何してる